ほどよい仕事 乙な開発 その2

システム開発における完璧さの追求

日頃、システム開発に従事する私たちにとっても「よい仕事とは何か?」という問題は永遠の課題です。

伝統的には、「要件定義、設計に準じた品質」こそが「よいシステム」であると考えられてきました。今でもその価値観は、大多数のプロジェクトで共有されています。
明文化された「要件」や「設計」は多くの人が共有することができ、ユーザーも開発者も同じ完璧を目指すために明確でわかりやすい「定義」であることは間違いありません。

ところがこの「定義」は、しばしば私たちを悩ませます。
「3ヶ月前に決めた定義が、環境の変化によって変わってしまった」
「イレギュラーだが重大な機能を追加しなければならない。1ヶ月前には思い出せなかったが」
「接続先のシステムが変更になったが、その仕様は2ヶ月後にならないとわからない」
そんな環境の変化に対して、既に定められた「定義」をどこまで追い求めるのか、プロジェクトメンバー達は悩みながら定義をチューニングし、調整しながらゴールを目指します。

しかし、プロジェクトが佳境を迎えた頃、外部のステークホルダーは往々にして言うのです。
「もともと、どうゆう定義だったんだっけ?それはちゃんと守られているの?」と。
(プロジェクトがトラブルに見舞われ、スケジュールが延伸しているならなおさら)

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