[政治IT]東京都都議会議員選挙、ツイッターで何が呟かれたのか?(自民党編)

東京都都議会議員選挙、ツイッターで何が呟かれたのか?

2017年7月2日の都議会議員選挙は、小池都知事率いる都民ファーストの大躍進と、自民党の大惨敗で終わりました。

都議会議員議席数推移(出典:選挙ドットコム)
都議会議員議席数推移(出典:選挙ドットコム)

その選挙期間中、都議選についてツイッターではどのようなことが呟かれたのでしょうか。

選挙期間中のツイッターで「都議」を含むすべてのツイートを収集し解析しました。

まず、政党名別に、頻出数(出現回数)を比較してみましょう。


政党名別では、「自民党」が圧倒的です。
これらには、一般のツイート、候補者のツイート、各候補の選挙対策本部による拡散、また、それぞれのポジティブなものネガティブなものなど、すべてが含まれています。

では、「自民党」という単語とともにどのような言葉がツイートされているのでしょうか。
単語単位で集計してみます。

個人名に着目すると、「安倍」さんよりも「小池」さんよりも「稲田」さんの数が多いようです。「自衛隊」もあります。
稲田防衛相は、選挙戦の終盤に候補者の応援演説の中で、「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言し、自衛隊法に抵触する政治的行為ではないか、と批判を受けました。その影響があるようです。

自民党への批判では、これ以外に、豊田衆議院議員の秘書への暴言もありました。
また、選挙戦最終日に、安倍首相が秋葉原の街頭演説において、激しいヤジに対して、「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」と発言し、これも様々な論議を呼んでいます。
では、これらのキーワードをさきほどの、政党名別のグラフに当てはめてみます。

やはり、「自民党」の頻出回数の多い日と、これらの単語は関連があるようです。
中でも稲田防衛省の発言の大きさがよくわかります。

【政治IT】SNS動向から分析する「都議選2017」得票予測

ネット選挙が解禁になって2年あまり経つでしょうか。

日頃、FacebookやTwitterなどSNSと接していると、SNSでの盛り上がりと選挙結果の驚くほどの乖離に毎度驚きます。

本日は、そんな私的な感情から離れて 今日はSNSを分析して 明後日に迫った 東京都議選の得票予測を試みます。

 

◆データソースはTwitterのみ

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ほどよい仕事 乙な開発 その3

完璧ではない でも気が利いてる

プロジェクトが佳境を迎えた頃、外部のステークホルダーは往々にして言うのです。
「もともと、どういう定義だったんだっけ?それは、守られているの?」と。
(【ほどよい仕事 乙な開発 その2】より)

そんな時、私たち(立場がユーザであれ、開発者であれ)が目指すのは、”乙”なシステムです。
予め定められた「完璧」ではないかもしれません。部外者から見たら奇妙な造りになっているのかもしれません。
でも大事なのは、それを使うユーザにとって、気が利いていることです。
そのシステムがユーザを快適にし、ユーザの仕事や生活を、よりよく変化させる道具になっていること。
もしシステムが、そんな ”乙” なものなら、それはきっと完璧であるよりも価値があるのではないでしょうか?

ほどよい仕事 乙な開発 その2

システム開発における完璧さの追求

日頃、システム開発に従事する私たちにとっても「よい仕事とは何か?」という問題は永遠の課題です。

伝統的には、「要件定義、設計に準じた品質」こそが「よいシステム」であると考えられてきました。今でもその価値観は、大多数のプロジェクトで共有されています。
明文化された「要件」や「設計」は多くの人が共有することができ、ユーザーも開発者も同じ完璧を目指すために明確でわかりやすい「定義」であることは間違いありません。

ところがこの「定義」は、しばしば私たちを悩ませます。
「3ヶ月前に決めた定義が、環境の変化によって変わってしまった」
「イレギュラーだが重大な機能を追加しなければならない。1ヶ月前には思い出せなかったが」
「接続先のシステムが変更になったが、その仕様は2ヶ月後にならないとわからない」
そんな環境の変化に対して、既に定められた「定義」をどこまで追い求めるのか、プロジェクトメンバー達は悩みながら定義をチューニングし、調整しながらゴールを目指します。

しかし、プロジェクトが佳境を迎えた頃、外部のステークホルダーは往々にして言うのです。
「もともと、どうゆう定義だったんだっけ?それはちゃんと守られているの?」と。
(プロジェクトがトラブルに見舞われ、スケジュールが延伸しているならなおさら)

ほどよい仕事 乙な開発 その1

乙なこと

日本には気の利いた、シャレたものという意味で「粋」とか「乙」という言葉があります。
ニュアンスが違うので2つの言葉は同じ意味では使われませんが、どちらも江戸時代から使われるようになった比較的新しい言葉のようです。
今日は、この新しい言葉から、当社の社名(略称)にも使われる「乙」という言葉について。

もともと「乙」という言葉は干支を数える言葉として『甲乙丙丁‥』のように使われ、順番を表した場合に「2番目」を意味するようになったそうです。
「甲乙つけがたい」という言葉のように、昔は「甲 1番目 優れたもの」「乙 2番目 劣る方」という位置づけでしたが、邦楽の分野ではオーソドックスな「甲音」に対して少し変わった音色(1オクターブ低い)ということで「乙」を「奇妙な、変わった」という意味で使うようになりました。
江戸時代には、「侘びさび」に代表されるような「欠けている妙=不完全なものにこそ価値がある」という世界観が流行しました。「乙」が 変わっているけど気が利いていて素敵なものという意味合いで使われるようになったのは、そうした世界観が背景にあるという説もあります。